👤 筆者:元地方公務員、アラフォー主夫のなお(妻は教員、キャリア15年)
📖 はじめましての方へ:このブログの趣旨は こちらの初回記事 をどうぞ。
📋 この記事でわかること
- AIを使っているのに、なぜ業務が楽にならないのかの構造
- 先生がハマりやすい3つの落とし穴(完璧主義/ハルシネーション/組織問題)
- それぞれに対する現場で効く対策
- 明日から始められる小さな一歩
友人に聞いた「AI推進」の皮肉な現実
先日、前職(地方公務員)の友人たちと久しぶりに会いました。
友人らがどのくらいAIを仕事に活用しているのか聞いてみたところ、面白いことがわかりました。
文書チェックや資料のたたき台にAIを使うのは、もはや当たり前。
「組織全体の残業がどんどん増えていて、その対策としてAI活用が推進されている」という話でした。
ここまでは順調に聞こえます。でも、話には続きがありました。
「ただ、AIの推進そのものが、新たな仕事を生んでるんだよね、、、」
具体的には、「職員向けにAIを推進するための研修を開く」という業務が、新しく乗っかってきている、と。
研修担当の人は、その準備や資料作りでむしろ忙しくなる。AIで残業を減らすはずが、むしろ残業を増やしている。
なんというか、組織あるあるだなあと思いました。公務員らしいというか😅
そして、もうひとつ印象的だった話。
ある”お偉いさん”が、こう言ったそうです。
「AIがあれば完璧な資料ができるはず!その方法を研修でやってほしい」
いや、、、AIは万能な道具じゃないから!!
ドラえもんみたいに、なんでも願いを叶えてくれるわけじゃないのよ😫
“たたき台づくり”には優れているけど、最初から完璧を求めるものではなくて、人による確認、手直しは必須です。
そして当然ながら、その”お偉いさん”は自分でAIを使ってるわけじゃない(笑)
振り回される現場の職員は、本当に大変だなと感じました。
こんな感じなので、少なくとも僕の友人は AIで残業が減るどころではなさそう でした💦
学校現場でも、思ったより効率化が進んでない?
これは地方自治体に限った話ではありません。
学校でも、思ったよりAIによる業務効率化は進んでいないという話もあります。
DX企業のアルサーガパートナーズが2025年7月に全国の教職員283名に行ったアンケートでは、
- AIを実際に活用している教員は 37.2%
- AIに前向きと答えた教員は 61.9%
- そして、AI活用教員のうち、業務負担軽減を実感したのは 28.6% にとどまる
出典:アルサーガパートナーズ調査(2025年7月、全国教職員283名)
このような結果でした。
AIを使う教員は確実に増えてきている(公立教員の55%が活用しているという調査もあります)のに、「使ってみたら楽になった」という実感があまり広がっていない。
調査では「AIの出力が現場に適しているか、確認する手間が増えた」との意見もありました。
なぜAIで楽にならないのか ― 3つのポイント
なぜ、AIを使ってるのに楽にならないのか。僕なりに3つのポイントから整理してみました。
① AIに完璧を求めてしまう
先ほどの”お偉いさん”の話でもありましたが、AIに完璧を求めてしまう人は一定数いそうです。使い慣れていない人ほどそうなのかもしれません。
でも当然ながら、AIに指示を出して一発で100%期待通りのものができるなんてことはない。
だから過度に期待しすぎていると、「あれ?思ってたのと違うぞ。おかしいな…」となります。
AIだけで資料を完成させようとすると、プロンプトを繰り返し打ち続けて、いつまでたっても仕上がらない、ということになりかねません。
🔧 対策:たたき台ツールと割り切る
“AIはたたき台をつくるツール”と割り切り、仕上げは人間の手で行う方が結果的に早い。自分の中では「7割でOK」と決めておくくらいがちょうどいい。
上司から「完璧な資料を」と求められても、AIに完璧を求めず、残り3割は自分の手で仕上げる――これだけで、AIなしで一からつくるより時短になります。
② 出力された内容の確認に時間がかかる(ハルシネーション問題)
AIを活用する際に絶対知っておくべきことの1つに、「ハルシネーション」があります。
先ほども話した通り、AIは完璧ではありません。
当然わからないこともあるのですが、やっかいなことに、それっぽい話(嘘)を勝手につくりあげてしまうことも多いのです。このことをハルシネーションといいます。
わからないなら「わかりません」と言ってくれればいいのに…といつも思う(笑)
教員ひいては公務員にとって、公文書や対外的に出す資料に間違いがあってはいけません。
例えば保護者あての通知に誤りがあれば、後でクレームを受けることにもなりかねません。
だから、出力された資料のファクトチェック(事実の確認)が必要になるのですが、ここに人的な労力と時間がかかりがちなのです。
特に自分がよく知らない分野だと、確認だけで膨大な時間がかかり、業務効率化にならないことも。
🔧 対策:確認に濃淡をつける/出典つきツールを使い分ける
全部を完璧に確認しようとすると消耗します。確認すべき部分とそうでない部分を分けるのがコツ。
- 必ず確認:数字、固有名詞、日付、法令、子どもの個別事情に関わる文章
- 流し読みでOK:一般論、定型あいさつ、表現の言い回し
もうひとつの手として、NotebookLMのような出典つきツールを使い分ける方法があります。
NotebookLMは自分が指定した資料のみをもとに回答してくれるので、ハルシネーションが起きにくく、出典も明示してくれるため確認が楽。こちらの記事で詳しく書いています。
「疑いながら、頼る」 ――これがAIリテラシーの本質だと思っています。
③ 「AIを推進する」という仕事が発生する
ここまでは個人レベルでの話でしたが、組織レベルでの問題についても触れておきます。
AIを推進するために別の仕事が増えてしまう、という話です。
この類の話は、僕が地方公務員として働いていたときにも山ほどありました。
何か新しいことを始めようとするとき、「〇〇担当」という名の役割が降って沸いたように割り当てられて、
「〇〇くん、あとはお願いね」
「丸投げかよっ!」
みたいな😅
AIを職員に普及させようと思えば、「AI推進担当」みたいなものがつくられて、研修会を開くよう言われたり、ITリテラシーが弱い職員のフォローを頼まれたりといったことは容易に想像できます。
AIで仕事の負担が減るどころか、逆に忙しくなる、という皮肉な構造です。
これがダメとは言い切れませんが、指名された人はたまったもんじゃない😭
🔧 対策:大規模な研修じゃなく、現場でいじりながら広げる
AIの進化は本当に速くて、今日学んだことが明日には古くなっていることも。研修資料を作っている間に、その内容が古くなってしまうかもしれません。
AIは、“自分の身近な業務に当てはめて、いじりながら覚えるもの”だと思います。失敗して、工夫して、また試す――この短いサイクルが、結果的に一番速い。
なので、組織として広めたいなら、大規模研修じゃなくて:
- 係単位の小さな勉強会
- 同僚同士のOJT
- 「これ便利だったよ」と雑談ベースで共有する雰囲気づくり
こっちの方が、現場には実用的ですし、AIの進化にも追いつけるはずです。
で、結局どうすればいい?
ここまで3つのポイントを見てきました。整理してしまえば、
「完璧を求めず、確認作業を効率化しながら、身近な作業を通して学んでいく」 ――といったところだと思います。
例えば、
- まずは「文章チェック」から入る (失敗が少なく、効果がすぐ出る)
- 完璧を求めず、たたき台で十分と割り切る
これだけでも、AIを時短に活用できるチャンスは大いにあります。
まとめ
📌 AIで楽にならない3つの理由 と 対策
- ① 完璧を求めすぎる → 7割でOKと割り切る
- ② ハルシネーションの確認に時間 → 濃淡をつけて確認、出典つきツールを活用
- ③ 組織のAI推進が新業務を生む → 大規模な研修より現場でいじりながら広げる
妻の残業を1分でも減らしたい。
その気持ちで、これからもAI時短の使い方を発信していきます!



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